極甘恋愛短編集
思ったままのことを口にすると、田中さんはようやく私と視線を合わせて笑顔になってくれた。


その笑顔は花が咲くように可愛い。


こんな可愛い子でも振られたなら、私なんて到底ダメだろうな。


そんな気持ちになって沈んでしまいそうになったけれど、一生懸命気持ちを立て直す。


今はクラスメートたちとの関係を構築するほうが重要だ。


「無視してごめん」


「昨日はごめんね」


田中さんの友人らが集まってきて次々に謝ってくれる。


私はそれを笑顔で許した。


少し離れた場所に視線を向けると佑美がこちらへ向けて親指を立て、いいね!のポーズをしていたのだった。
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