囚われのシンデレラ【完結】
次の日、斎藤さんに連絡を取ることにした。
あの人は絶対に西園寺さんの傍にいる――。
それだけは確信があった。朝一番にセンチュリーグループ本社に電話をして、なんとか斎藤さんを探し当てた。ようやくたどり着いた電話の先に斎藤さんがいる。
「お久しぶりです。進藤あずさです。私のこと、分かりますよね?」
冷静でいなければと、震える自分を懸命に奮い立たせる。
(――奥様。どうされたんですか)
驚きもしない、それに、以前と全然違う他人行儀な声――。
それに怖気づきそうになるけれど、ここで逃げたりなんかしない。
「斎藤さんと2人だけで話がしたいんです。できるだけ早く時間を取ってください」
(……承知いたしました。申し訳ないのですが、本日は終日、社を離れられないので午後あたりにでもこちらに来ていただくことは可能ですか? もちろん部長には知られないように配慮いたしますので)
部長――西園寺さんの現在の役職か。
そして、その私に対する丁寧な言葉遣いは、仕えている人の妻だから。
「分かりました」
(では、こちらにいらしたら受付に声を掛けてください)
そう言うと電話は切られた。
全部、はっきりさせる。受話器を置き、ドクドクと激しくなる鼓動をなだめる。