囚われのシンデレラ【完結】
「……ん」
2時間ほど経って、西園寺さんが眉間に皺を寄せた。
「あれ、俺――」
むっくりと身体を起こし始める。
「もしかして、寝た?」
「は、はい。すみません。凄く気持ちよさそうに寝ていたから、そのままにしてしまって。背中とか痛くないですか?」
「いや、大丈夫。どれくらい寝てたかな」
西園寺さんが首元に手をやり、腕時計を見た。
「2時間くらいですよ」
「……あ、年が明けてしまったな」
どこか困ったような顔をした西園寺さんが、なんだか可愛く思えてしまって。少し笑ってしまいそうになる。
「とりあえず。あけましておめでとう」
「あ、おめでとうございます」
慌てて頭を下げた。
「毛布まで……すまなかった。こんなに長居をするつもりはなかったんだ。それに、せっかく一緒にいたのにな。年越しに寝てるなんて、俺は一体何をしてるんだか」
「い、いえ。一緒にいたことには変わりないですから。私は、嬉しかったです」
なんて、言ってしまった後にハッとする。やはり、言葉が返ってこない。
「それは、その、年越し一人だと寂しいから、西園寺さんがいてくれてよかったなって、それで――」
――って、一体なんの言い訳なんだろう。自分で自分が何を言いたいのか分からなくなる。
「そうだな。俺も、久しぶりに心が和んだ気がする。こたつ、なんかいいな」
そう言ってくれた西園寺さんにホッとする。
「そうですよね。でも、こたつって結構厄介なんですよ? 一度入ると出たくなくなる」
「確かに、それは言える」
二人で笑い合う。
「――ごめん、顔だけ洗わせてもらっていいか。眠気を完全に覚ましたい」
「もう帰るんですか? もう少し、ゆっくりしても――」
「いや、大丈夫」
その言葉に、こんなにも寂しさを感じるなんて。それだけ、この時間が、私にとって幸せな時間だったんだと知る。