囚われのシンデレラ【完結】
翌朝起きると、あずさが既にキッチンで朝食の準備をしていた。
「おはようございます」
こちらに振り返ると、しっかりとした姿で俺の前へと来た。
「昨日は、取り乱してしまってすみませんでした」
「いや、誰だって、あんな話を聞かされたら動揺する。すぐには冷静になんてなれないさ」
頭を下げるあずさにそう言う。
「私が自分を責めたところで、自分を楽にするだけで、何かのためになるわけじゃないですよね。西園寺さんの言うように、私は公香さんが回復されるのを願っています」
無理に自分を叱咤していると分かるその姿に胸が痛む。でも、いくらか落ち着きはしたのだろう。それを見届けて、ずっと気になっていたことを尋ねた。
「昨日のことを話してくれるか? 一体、どこからそんな連絡が来た?」
あずさが、ハッとしたような顔をする。
「……あの時は、話の内容に動転して気が回らなかったけど――」
「誰から聞いたんだ?」
問い詰める俺に、どこか躊躇うように口を開いた。
「柊ちゃん……私の幼馴染みからなんです。でも、どうして彼がそんなことを知っているんでしょうか?」
あずさの答えに愕然とする。
どうしてここで、あの男が出て来る――?
一つの不意に浮かんだ想像が、俺の足元からすべてを崩れさせようとする。
まさか。
まだすべてを理解出来たわけでもないのに、激しい動揺が身体中を一杯にして、呆然とする。
まさか、繋がっているのか。
前から、繋がっていたのか――?