囚われのシンデレラ【完結】

 それからベッドの中で、これまでの緊張と疲れが出たのか、恥ずかしいほどにぐっすりと眠ってしまった。
 西園寺さんに起こしてもらい、慌ててベッドから這い出て身支度を整える。
 そんな私を、背後から西園寺さんが抱きしめた。

「あずささえよかったら、いつでもここに来て練習していいよ」
「……え?」

その言葉にくるりと身体を反転させる。西園寺さんが私の腰に手を当て、抱き寄せた。

「この1か月、会えないことが本当にきつかった。だから、これ――」

私の手を取り手のひらを開かせると、その上に鍵を置いた。

「ここなら、バイト先のコンビニも近い。いつ来てくれてもいい」
「ありがとうございます。でも、鍵なんてもらってもいいんでしょうか……」

まさか、部屋の鍵をもらえるとは思わなくて躊躇してしまう。

「半分以上は俺のためだ。少しでもあずさに会いたいから。だから、持っていてくれ」

そう言うとその鍵を私に握らせた。

「もちろん強要はしない。あずさが来られる時に来てくれればいいから」
「……はい。ありがとうございます」

こんなに幸せでいいのだろうか。

初めての恋が私にくれる幸せは、想像していたものよりずっとずっと大きくて。何もかもが初めての私は、ただ与えられる愛情に包まれていた。
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