囚われのシンデレラ【完結】
「今日は、ありがとな」
斎藤さんと別れた後、西園寺さんの車で私の家へと向かっていた。
「こちらこそ、私のこと紹介してくれてありがとうございました。斎藤さんとお話できて、私も良かったです」
私の知らなかった西園寺さんのことを知ることが出来た。
「西園寺さんと斎藤さん、本当に仲がいいんですね。特別な友人なんだろうなってことは想像していましたが、それが今日よくわかりました」
ハンドルを握りながら、西園寺さんが斎藤さんとの間柄を話してくれた。
「子供の頃から、たまたまなのか、俺の周りには父の会社の社員の子が多くて。そのせいで、俺に対して、皆がどこか間に壁を挟んだみたいな接し方をして来たんだ。それがどうにももどかしく寂しかった。それを、遥人に言ったんだ。『親は関係ない、ここではただのクラスメイトじゃないか』って」
「そうしたら、斎藤さんはなんと言ったんですか?」
「『親の立場は関係ないなんて言えるのは、おまえが社長の息子だからだ』だと。そう遥人に言われた時、頭をがつんと殴られたみたいだった。自分が、いかに相手の立場に立っていなかったかと知ったよ。でも、その時遥人が言ったんだ。『僕は自分が思うように接する。そういう人間がおまえには必要だ』とね。実際に、遥人は俺に対して遠慮ない。それが、俺には本当にありがたいんだ。まあ、こんなこと本人には絶対言わないけどな」
そう言って、西園寺さんが笑った。
「西園寺さんにとって斎藤さんは、他の誰も取って変わることのできない大切な人なんですね。腹心の友だ」
「腹心の友……それだな」
斎藤さんは、西園寺さんをこれからもずっと支え続けて行くのだろう。
会社というところがどんなものか詳しくは分からないけれど、役職が上がれば上がるほど孤独になって行くものなのかもしれない。そんな時、傍に心許せる人がいてくれたら、どれだけ助けになるだろう。
西園寺さんにとって斎藤さんが、いかに大切なの人なのか、改めて知った。