死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる
◇
一方その頃、お忍びで外出したリアンを見送ったクローディアは、侍女のアンナを連れてエレノスを訪れていた。
「──久しぶりだね、ディア」
目の前で優美に微笑む兄・エレノスから誘いがあったのは、リアンが出掛けてからすぐのことだった。
今日は何をして過ごそうかと自室へと向かって歩き始めた時、エレノスからの遣いがやって来たのだ。
今まで──リアンと結婚するまで、クローディアはエレノスと数日に一度の頻度で会っていたが、ここ最近は新婚である二人を気遣ってのことか、公務以外で顔を合わせることがなかった。
忙しない日々を送っていたからか、エレノスがいない寂しさを感じることはなかったが、いざこうして久しぶりに顔を見ると、子供のように頭を撫でられたいと思ってしまう。
「久しぶり、だなんて。お兄様にそう言う日が来るとは思わなかったわ。…なんだか痩せられた?」
顔色を良く見せる化粧で誤魔化していても、クローディアには気づかれてしまったかとエレノスは苦笑を浮かべる。その目の下には隈があり、頬は少し痩けていた。
「…ああ、やることが山積みでね。でもディアの顔を見たから元気になったよ」
エレノスはふわりと微笑んだ。手に持っていたティーカップを上品な所作で置くと、クローディアへと手を伸ばし、ゆっくりと頭を撫でる。
「ふふ、お兄様ったら」
クローディアは心地よさそうに目を細め、久しぶりの兄の温もりに幸せな気持ちになった。
一方その頃、お忍びで外出したリアンを見送ったクローディアは、侍女のアンナを連れてエレノスを訪れていた。
「──久しぶりだね、ディア」
目の前で優美に微笑む兄・エレノスから誘いがあったのは、リアンが出掛けてからすぐのことだった。
今日は何をして過ごそうかと自室へと向かって歩き始めた時、エレノスからの遣いがやって来たのだ。
今まで──リアンと結婚するまで、クローディアはエレノスと数日に一度の頻度で会っていたが、ここ最近は新婚である二人を気遣ってのことか、公務以外で顔を合わせることがなかった。
忙しない日々を送っていたからか、エレノスがいない寂しさを感じることはなかったが、いざこうして久しぶりに顔を見ると、子供のように頭を撫でられたいと思ってしまう。
「久しぶり、だなんて。お兄様にそう言う日が来るとは思わなかったわ。…なんだか痩せられた?」
顔色を良く見せる化粧で誤魔化していても、クローディアには気づかれてしまったかとエレノスは苦笑を浮かべる。その目の下には隈があり、頬は少し痩けていた。
「…ああ、やることが山積みでね。でもディアの顔を見たから元気になったよ」
エレノスはふわりと微笑んだ。手に持っていたティーカップを上品な所作で置くと、クローディアへと手を伸ばし、ゆっくりと頭を撫でる。
「ふふ、お兄様ったら」
クローディアは心地よさそうに目を細め、久しぶりの兄の温もりに幸せな気持ちになった。