死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる
◇
大粒の雨が地を叩きつけるように降っている。こんな天候だというのに、リアンは予定を変更せずに孤児院へ向かったそうだ。共に行く予定だったクローディアは、体調不良を理由に自室に引き篭もっていた。
「皇女様、何か食べたいものはありますか?」
朝食をほとんど残したのを心配したのか、アンナが心配そうに聞いてくる。
クローディアは頬杖をつきながら窓の向こうを眺めていたが、小さなため息をこぼしたのちにアンナを振り返った。
「…特にないわ。悪いのだけれど、しばらく一人にしてちょうだい」
「かしこまりました。何かありましたらお呼びくださいね」
ありがとう、とクローディアは小さく微笑みかける。アンナが部屋を出て行き、ドアが閉まったのを確認すると、クローディアはまたため息をこぼした。
(──どうしてリアンはアルメリアのことを?)
思い返すのは、数日前のリアンのことだ。
──『ディアのことが、知りたくて』
晩餐会の翌日の晩、リアンはアルメリアは人の名前かと尋ねてきた。いや、正確には分かっていた答えを確かめるような、そんな口振りだった。
クローディアはアルメリアのことをこの世の誰にも打ち明けていない。リアンにはただその花が好きだ、と言ったくらいで、他の家族もそのように思っていることだろう。
ただその花が好きというだけで、本当は人の名前ではないかと疑ったりするだろうか。
もしかしたら、晩餐会でその名が出た時に動揺してしまい、フォークを落としたのを見て、何か勘付いたのかもしれないが。
大粒の雨が地を叩きつけるように降っている。こんな天候だというのに、リアンは予定を変更せずに孤児院へ向かったそうだ。共に行く予定だったクローディアは、体調不良を理由に自室に引き篭もっていた。
「皇女様、何か食べたいものはありますか?」
朝食をほとんど残したのを心配したのか、アンナが心配そうに聞いてくる。
クローディアは頬杖をつきながら窓の向こうを眺めていたが、小さなため息をこぼしたのちにアンナを振り返った。
「…特にないわ。悪いのだけれど、しばらく一人にしてちょうだい」
「かしこまりました。何かありましたらお呼びくださいね」
ありがとう、とクローディアは小さく微笑みかける。アンナが部屋を出て行き、ドアが閉まったのを確認すると、クローディアはまたため息をこぼした。
(──どうしてリアンはアルメリアのことを?)
思い返すのは、数日前のリアンのことだ。
──『ディアのことが、知りたくて』
晩餐会の翌日の晩、リアンはアルメリアは人の名前かと尋ねてきた。いや、正確には分かっていた答えを確かめるような、そんな口振りだった。
クローディアはアルメリアのことをこの世の誰にも打ち明けていない。リアンにはただその花が好きだ、と言ったくらいで、他の家族もそのように思っていることだろう。
ただその花が好きというだけで、本当は人の名前ではないかと疑ったりするだろうか。
もしかしたら、晩餐会でその名が出た時に動揺してしまい、フォークを落としたのを見て、何か勘付いたのかもしれないが。