死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる
なぜならマリスは、ローレンスの愛馬にこう言っていたのだから。
──『僕を乗せてくれますか? リリー・メルシエ』
まるでダンスを申し込むかのように、甘く柔らかな声で、マリスはリリーに語りかけていた。
(……そういえば、僕は彼にリリーの本当の名を言っただろうか)
またしても不思議なことがあるものだ、とローレンスが思ったのも束の間。腰に回されていた手は離れ、後ろに座っていたマリスが飛び降りた。
「マリス君? 急に何を──」
突然のことに、ローレンスは慌てて手綱を引いたが、何故かリリーが大人しくしないから飛び降りることができなかった。
「僕はここで降ります! ローレンス殿下、ありがとうございました」
「待つんだ! 一体なぜっ…」
マリスはローレンスにぺこりと頭を下げると、お日様のような笑顔を飾った。それは探し物を見つけた子供のように眩く、思わず目を細めてしまって。
そんなローレンスを置いて、マリスは一直線に駆けて行った。
その先にあるのは、リアンの馬車が停まっていた大きな孤児院だ。
──マリスはリアンに会いたかったのだろうか?
──『僕を乗せてくれますか? リリー・メルシエ』
まるでダンスを申し込むかのように、甘く柔らかな声で、マリスはリリーに語りかけていた。
(……そういえば、僕は彼にリリーの本当の名を言っただろうか)
またしても不思議なことがあるものだ、とローレンスが思ったのも束の間。腰に回されていた手は離れ、後ろに座っていたマリスが飛び降りた。
「マリス君? 急に何を──」
突然のことに、ローレンスは慌てて手綱を引いたが、何故かリリーが大人しくしないから飛び降りることができなかった。
「僕はここで降ります! ローレンス殿下、ありがとうございました」
「待つんだ! 一体なぜっ…」
マリスはローレンスにぺこりと頭を下げると、お日様のような笑顔を飾った。それは探し物を見つけた子供のように眩く、思わず目を細めてしまって。
そんなローレンスを置いて、マリスは一直線に駆けて行った。
その先にあるのは、リアンの馬車が停まっていた大きな孤児院だ。
──マリスはリアンに会いたかったのだろうか?