死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる
──その時だった。
凄まじい爆発音とともに起きた突風が、二人の体をよろめかせた。咄嗟にバランスを取ったリアンは、尻餅をついたクローディアを覆い被さるようにして守ると、ぎゅっと目を瞑った。
一体何が起きたというのか。リアンはクローディアの頭に手を添えたまま、辺りを見回して──絶句した。
「………なに、これ…」
百人近い子供たちの家であった大きな孤児院は燃えていた。この建物の象徴であった大きな時計は跡形もなく崩れ落ち、あちこちから火と煙が出ている。
「痛いよう、せんせいっ…」
崩れた瓦礫の下敷きになっている子供が、頭部から血を流しながら泣いている。すぐ近くにいたシスターは腕の中にいた幼子を年長の子に託すと、挟まれた子供の元へ転げ落ちるように駆け寄り、顔をぐしゃぐしゃに歪ませながら瓦礫を除き始めた。
「リアン……」
リアンはクローディアに怪我がないか確認すると、手を取って立ち上がった。同じく無事を確かめるために護衛の騎士が来たが、リアンは被害の状況を確認し、大至急ここに救助を寄越すよう命じると、羽織っていたコートをクローディアの頭から羽織らせる。
「……何で急に、建物が…」
「リアン、あそこを見てっ…!」
リアンはクローディアが指差す方を見て、目を大きく見開いた。なんと燃えている部屋の窓から、子供が手を伸ばしながら泣き叫んでいる。