死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる

「ディアはここで待っ──」

すぐさま助けに行こうとしたリアンは、クローディアにここで待つよう言おうとしたが、リアンが声を掛けるよりも先にクローディアは駆け出していた。

「ディアッ!!」

リアンは急いでクローディアの後を追った。

躊躇うことなく燃え盛る建物の中へと飛び込んで行ったクローディアは、何かに取り憑かれたように階段を駆け上がっていく。綺麗な温室で大切に育てられた皇女だというのに、炎が怖くないのだろうか。

二人は子供が閉じ込められている部屋に辿り着くと、椅子で扉を破壊して中に入った。

泣いている子供を短く抱きしめると、ありったけの布団を窓から下に向かって落とし、下で待つ大人たちに衣類で包んだ子供を受け止めるよう叫ぶ。

そうして、無事に子供が脱出できた時。二人には喜ぶ時間も残されておらず、大きな火の手が迫っていた。

「……ここはもう無理だ。ディア、北側に行こう。テラスがある」

リアンはクローディアの口に布を当て、身を低くしながら息をするよう言うと、その手を取って駆け出した。

何度かこの孤児院に足を運んでいたからか、建物内部のことは何となく把握していた。この先にある大きなテラスの下には、帝国で一番大きな川が流れている。そこから飛び降りれば、二人とも助かるのではないかと考えていた。
< 244 / 340 >

この作品をシェア

pagetop