死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる
その絵は金色の髪の王と、白銀色の髪の女性が寄り添っているものだった。その絵をリアンは神だと言ったが、館長は否定していた。
──『今から五十年ほど前に、隣国オルヴィシアラより贈られたものなのです。王国の国王夫妻の肖像画だそうで』
──『…国王なんて初耳。国じゃ神だ神だって皆崇めてるだけなのに』
──『我が国には、国王夫婦と伝わっております。アターレオ国王陛下と、そのお隣はスタンシアラ王妃だそうです』
王国に自分と同じ髪色の王妃がいたから、何だと言うのか。
フェルナンドが自分を欲した理由が、そこにあるのだろうか。
「……スタンシア王妃と、アターレオ国王?」
クローディアの呟きに、アルメリアは頷く。
「そう、数代前の王国の国王夫妻です。この男は二人を殺めて玉座を手にした逆賊の子孫。国王陛下は血筋を正そうとされましたが…」
何がおかしいのか、フェルナンドは不気味に笑い出した。
「クローディアを妻にすれば、罪も何もない。初めから正統なる王は自分だったと証明できると思ったんだがな」
禍々しさを宿した青い瞳が、クローディアへと向けられる。
いつだって真っ直ぐで、綺麗だったリアンのものとは似ても似つかないその瞳に、ひと時でも心を奪われ、簡単に騙されてしまったかつての自分を恨めしく思った。