死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる
「……だというのに、父王は彼奴を後継にするという。あるべき姿に戻すのだと」
「貴方っ……」
「そんなのは許されない。だから私は教団と手を組み、彼奴を異端児に仕立て上げた」
淡々と語られた真実を聞いて、怒りが湧いたのはクローディアだけではなかった。前にいるアルメリアも同じ思いなのか、掌を握りしめている。
「私という存在をこの世に生み出した以上、あの国の頂点に立つのは私だ」
「そんなもののために、リアンを苦しめたというの!?」
ぽろぽろとクローディアの瞳から涙がこぼれ落ちる。声を張り上げたクローディアを見て、フェルナンドは満足そうに笑っていた。
「それの何が悪い? 王家の長子として生まれた私ではなく、まだこの世に生まれてもいなかった存在が次の王だと言われた私の気持ちは? 存在意義は? 私は何のために生まれたのだ?」
奇妙に歪んだ笑みで、縋るような視線を空へと向けながらフェルナンドは語る。
フェルナンドは常に自分が正しく、他が間違っているという考えなのだろう。そんな人間に生まれた時から虐げられてきたリアンは、十数年の月日をどんな気持ちで生きてきたのだろうか。