死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる

──『傍にいさせて』

長い雨に打たれても、強かに咲き続ける花のようだったリアンは、クローディアにたくさんのことを伝えてくれた。

理不尽な理由で数えきれないくらい傷ついてきたリアンがいつだって優しかったのは、きっと、誰よりも痛みを知っていたからなのだ。

そっと。クローディアの手に優しい熱が灯る。悲しくて悔しくて仕方がないという気持ちに寄り添うように、アルメリアが隣に立って手を握ってくれた。

「……可哀想な人ですね。玉座に執着するあまりに、人の愛し方も知らずに肉親をも手にかけるとは」

「それはお前も同じだろう! 私を捨て、帝国を愛し、私を処刑台に送ったお前が、愛を語るな!!」

「愛して欲しいのなら、どうして母上を愛し、幸せにしてくださらなかったのですか?」

アルメリアは凛とした表情で、きっぱりとした声でそう問うと、クローディアの手を引いてフェルナンドへと詰め寄った。

「貴方が大切にしていたのなら、真心を持って接していたのなら……母上はあの場所で死ぬことなく、私も共に生きていたでしょうに」

クローディアは俯いた。自分も同じことを思っていたからだ。

どうしてころしたのか、その答えがまだ分かっていないように、アルメリアの問いにフェルナンドは答えないのだろう。
いや、答えられないだろう。人の命を物のように扱う男なのだから。
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