死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる

ロイスチェラムは許しを乞うように一度だけ頭を下げると、リアンへと向き直った。それを見てルヴェルグは察したのか、人払いをさせると玉座へ戻る。

「全ての事の始まりは、私の祖父の代まで遡る。私の祖父──レインズ国王は、玉座を簒奪して王となった大罪人なのだ」

「は……?」

リアンは間抜けな声を出した。そのような話は聞いたことがなければ、だから何だというふうにしか受け取れない。

この大陸にはいくつもの国があって、それぞれに歩んできた歴史がある。その中で国のため民のために愚王を倒し、王となった英雄だっていた。それとは違うのだろうか。

混乱しているリアンに、ロイスチェラムは穏やかな笑みを向けると、手放した王冠を手に取って。そしてそれをリアンの前に差し出すと、力強く頷いた。

「ヴァレリアン。そなたはレインズ国王がころした、アターレオ国王の曾孫なのだ」

建国以来続いてきた王家の直系の血を引いている、正統なる王位継承者。それがリアンだとロイスチェラムは告げると、黄金の髪に冠を乗せた。

「これまでそなたが不当な扱いを受けていながら、何もできなかった父で、すまなかった。王妃の一族は強く、国民に植え付けられたものも深い根を張り、私一人では抑えることができなかったのだ」

「………意味が、わかりません」

リアンは消え入りそうな声でそう呟くと、被せられた王冠を取り、床の上に戻した。
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