死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる
生まれた国には神がいて、太陽の化身と云われていたその神は黄金色の髪で。だから同じ色を持ったリアンが王家で生まれた時、人々は神が嘆いたと口にしたそうだ。
国に不幸を齎す悪魔の子だからと言われ、罵られ、蔑まれ──時には暴力だって振るわれた。
母親はころされてしまった。父親は見向きもしなかったし、腹違いの兄は人前では慈悲深い兄を演じていたが、ふたりきりになると己の気が済むまで虐めてきた。
辛い日々を過ごしてきたけれど、乳母とその家族だけは味方でいてくれ、どこに行っても恥ずかしくないように育ててくれた。
そんな十数年の日々の中で受けてきた数々の仕打ちは、“すまなかった”で済まさせることではないのだ。何十回、何百回、何千回と数えきれないくらいにリアンの心は傷つけられた。
「……結局、誰が悪かったんですか。俺じゃないんですか」
ぼそりと吐かれた声には、涙が滲んでいて。無表情に近かったリアンの顔に、深い悲しみが差した。
「私だ。私が全て悪い。国王でありながら、嘘偽りを伝える国教に怯え、国を牛耳る王妃の一族に良いようにされ、終いには責務を忘れて欲に溺れた息子の道を正すこともできなかった。全ては私の所為だ」
「だから何だって言うんですか。今まですまなかった? 謝って、それから何になるんですか? 全部なかったことにして俺に王になれとでも言うんですか?」
リアンらしくない饒舌な姿に、事を見守っていたルヴェルグは呆気にとられていた。無論ロイスチェラムも、こうしてリアンと面と向かって話すのは久しいのか──あるいはリアンが怒りを露わにするのを初めて見るのか、リアンへ伸ばされた手は宙を掻いている。