一夜の過ちは一生の過ちだった 【完】
「そうね、例えば……。
Aさんはテニスが好きです、Bさんもテニスが好きです。
2人はテニスの話で盛り上がりました。
はい、カップル成立です……とは、ならないでしょ?
ちょっと極端な例えだけど」
「確かに、ならないです…」
「クロエはあまり話さないし、笑ったりもしないから、わかりづらいけど……。
一緒に暮らして、一緒に海に行くっていうのは、あの子にとってはものすごく特別よ。
人って、言葉や顔に出てるものがすべてじゃないわよ。
だから、そんな風に思わないで」
瑤子さんの笑顔を見ていたら、なんだか晴れやかな気持ちになった。
もう少し、自信を持っても良いんじゃないかって。
クロエさんは言葉は少ないけれど、行動ではたくさん示してくれる。
詮索はしないで、ただ抱き締めて落ち着かせてくれた。
瞼に優しく口づけもしてくれた。
言葉がなくても、伝わってくるものはあった。
自分からも、この前クロエさんを抱き締めた事で、クロエさんには何か伝わったんだろうか。
キスした事も、同じベッドで朝まで抱き合って眠った事も、お互いに口にする事はなかった。
そもそもあれは……キスではないとも思う。
確かに唇と唇が触れ合ったけど、さらっとしていて、キスと呼ぶには違う気がする。
クロエさんはどう思っていたんだろう……。
Aさんはテニスが好きです、Bさんもテニスが好きです。
2人はテニスの話で盛り上がりました。
はい、カップル成立です……とは、ならないでしょ?
ちょっと極端な例えだけど」
「確かに、ならないです…」
「クロエはあまり話さないし、笑ったりもしないから、わかりづらいけど……。
一緒に暮らして、一緒に海に行くっていうのは、あの子にとってはものすごく特別よ。
人って、言葉や顔に出てるものがすべてじゃないわよ。
だから、そんな風に思わないで」
瑤子さんの笑顔を見ていたら、なんだか晴れやかな気持ちになった。
もう少し、自信を持っても良いんじゃないかって。
クロエさんは言葉は少ないけれど、行動ではたくさん示してくれる。
詮索はしないで、ただ抱き締めて落ち着かせてくれた。
瞼に優しく口づけもしてくれた。
言葉がなくても、伝わってくるものはあった。
自分からも、この前クロエさんを抱き締めた事で、クロエさんには何か伝わったんだろうか。
キスした事も、同じベッドで朝まで抱き合って眠った事も、お互いに口にする事はなかった。
そもそもあれは……キスではないとも思う。
確かに唇と唇が触れ合ったけど、さらっとしていて、キスと呼ぶには違う気がする。
クロエさんはどう思っていたんだろう……。