一夜の過ちは一生の過ちだった 【完】
「アオイちゃん、運動神経良いんだね」
姫野さんはそう言って食後のコーヒーに口を付けた。
初めてのボルダリングは、どうやらけっこう上手に出来ていたらしい。
ホールド呼ばれる、手をかける突起物は様々な形状で、最初はどう掴んだら良いかわからなかった。
だけど姫野さんが丁寧に教えて、徐々にコツを掴めていった。
七星さんが言っていた通り、姫野さんは運動神経がすごく良かった。
あっという間にぐんぐんと一番上まで登り、ある程度の高さまで降りると、軽やかにジャンプして戻って来た。
その姿は猫というよりは、スラリとした大型犬みたいだった。
姫野さんは自分はモテないと言っていたけれど、やっぱりそれは間違いで、周囲の女性はチラチラと姫野さんを見ていた。
「すごく楽しかったです、ありがとうございます。
でも……姫野さんがボルダリングの料金を払ってくれたから、これじゃお礼になっていないと思うんですけど。
それに、ここの食事代まで姫野さんが出してくれましたし……」
「一緒に来てくれれば良かったから、お礼はしてもらってるよ。
それに、海に行ったお土産もくれたし。ありがとね」
ボルダリングも食事も、すべて姫野さんが払ってくれた。
ボルダリングでは払うと言っても受け取ってもらえず、食事は席を立っていた間に会計を済まされてしまっていた。
姫野さんは優しいだけじゃなくて、とてもスマートだ。
姫野さんはそう言って食後のコーヒーに口を付けた。
初めてのボルダリングは、どうやらけっこう上手に出来ていたらしい。
ホールド呼ばれる、手をかける突起物は様々な形状で、最初はどう掴んだら良いかわからなかった。
だけど姫野さんが丁寧に教えて、徐々にコツを掴めていった。
七星さんが言っていた通り、姫野さんは運動神経がすごく良かった。
あっという間にぐんぐんと一番上まで登り、ある程度の高さまで降りると、軽やかにジャンプして戻って来た。
その姿は猫というよりは、スラリとした大型犬みたいだった。
姫野さんは自分はモテないと言っていたけれど、やっぱりそれは間違いで、周囲の女性はチラチラと姫野さんを見ていた。
「すごく楽しかったです、ありがとうございます。
でも……姫野さんがボルダリングの料金を払ってくれたから、これじゃお礼になっていないと思うんですけど。
それに、ここの食事代まで姫野さんが出してくれましたし……」
「一緒に来てくれれば良かったから、お礼はしてもらってるよ。
それに、海に行ったお土産もくれたし。ありがとね」
ボルダリングも食事も、すべて姫野さんが払ってくれた。
ボルダリングでは払うと言っても受け取ってもらえず、食事は席を立っていた間に会計を済まされてしまっていた。
姫野さんは優しいだけじゃなくて、とてもスマートだ。