御曹司の溺愛から逃げられません
ようやく訪れた土曜日。
疲れ果てた私は貪るように睡眠をとり、ようやく目が開いたのはお昼近くだった。
水を飲もうとようやく身体を起こすがまだ頭はぼうっとしている。
冷蔵庫からミネラルウォーターをとりだし、一気に飲み干すとようやく身体が動き始めた。
疎かになっていた家事を片付けるべく、ひとまず洗濯を回し始める。その間にパンをトースターに入れ、ヨーグルトを取り出した。
簡単にブランチを済ませると洗濯をベランダに干し始めた。3階の我が家はベランダからの見晴らしも悪くない。青空を見上げるととても気持ちがよかった。
溜まった洗濯を干し終わり、ふと視線を下に下ろして驚いた。
以前乗せてもらったことのある車が停まっており、その横には彼が立っていたのだ。

彼は私に気がついており、視線が合うと手を上げていた。

なんでいるの?

驚いたが、彼はスマホを耳に当てる仕草をしていた。私に電話に出ろという合図だろう。私は頷くと部屋の中に入ったと同時に着信音が鳴った。
< 64 / 101 >

この作品をシェア

pagetop