御曹司の溺愛から逃げられません
部屋のチャイムがなり、驚いた私は慌てて彼から離れた。
「香澄、コンシェルジュに洋服を用意してもらった」
彼の手にはショッパーがあった。
中身を見るとピンクベージュのシンプルなワンピースと下着、ストッキングが入っていて驚いた。化粧水などのお泊まりグッズまでさりげなく入っていた。
「し、清水さんが用意したの?」
「まさか。彼は夜勤だからもういない。今の時間帯にいた女性コンシェルジュに頼んだ」
下着まで用意されていて驚いたが、女性と聞いてホッとした。
ようやく彼の腕の中から解放されるとベッドルームで着替えをすることができた。手持ちの少ないメイク道具で少し化粧をするとリビングへ戻った。
彼も先ほどまでのバスローブ姿からカジュアルな服装に着替えが済んでいた。
「可愛いな」
私を見てすぐに彼は近づいてきた。
シンプルだけど可愛らしいこのワンピースは私に似合うと思えず恥ずかしい。けれど彼がすぐに褒めてくれたことがうれしかった。
「お腹が空いただろう? 食べにいきながら荷物を取りに行こうか」
玄関に置かれていたキーケースを持つと玄関を出た。
地下の駐車場へ連れて行かれると私でも知っているエンブレムのついた白いRV車に向かった。
「ごめん、これも隠してたよな。今まで車でどこにも連れて行ってやれなかった。ただの阿部瑛太として俺を見てくれていた香澄の見る目が変わってしまうと思って」
「瑛太さんがなんでも持ってると知って私が欲深になると思ったんですか?」
「いや、反対だろう。香澄は自分なんて、と離れていくと思った。そして現実も離れていっただろう? 香澄のことが好きになるほど俺の手放したくない気持ちが強くなり正直に言えなくなっていった」
私を助手席に乗せながら私の目を見ることなく話し続ける。
「香澄にとって社長という肩書きやこのマンションのようなものは一歩も二歩も引くだろう? 西園寺グループの長男としての役目も果たしたかったが、香澄のことも手放したくなくてなかなか正直に言えなかった。悪かった」
「嘘をついていたのは少しショックです。でも瑛太さんは瑛太さんでしょう? 私は肩書きなんて関係なく、あなたを好きになってしまいました」
その言葉にホッとしたのか彼はようやく顔を上げ私の方をみてきた。
「ありがとう」
「私も反省したんです。瑛太さんのことを知ったつもりで知らなかったことが多かったんです。瑛太さんの部屋にもいきたいってあの頃言っていれば今と違っていたかもしれない。趣味だって私に付き合ってもらってばかりであなたの趣味を知らなかった。だからもっとあなたを知りたい」
彼は頷くと笑顔を見せてくれた。
「いくらでも俺のことを知って欲しい」
「はい」
彼と荷物を取りにホテルへ行き、そのあとカフェを回ってブランチを取った。
そしてまた彼のマンションへ戻ると今までの時間を取り戻すように濃密な週末を過ごした。
「香澄、コンシェルジュに洋服を用意してもらった」
彼の手にはショッパーがあった。
中身を見るとピンクベージュのシンプルなワンピースと下着、ストッキングが入っていて驚いた。化粧水などのお泊まりグッズまでさりげなく入っていた。
「し、清水さんが用意したの?」
「まさか。彼は夜勤だからもういない。今の時間帯にいた女性コンシェルジュに頼んだ」
下着まで用意されていて驚いたが、女性と聞いてホッとした。
ようやく彼の腕の中から解放されるとベッドルームで着替えをすることができた。手持ちの少ないメイク道具で少し化粧をするとリビングへ戻った。
彼も先ほどまでのバスローブ姿からカジュアルな服装に着替えが済んでいた。
「可愛いな」
私を見てすぐに彼は近づいてきた。
シンプルだけど可愛らしいこのワンピースは私に似合うと思えず恥ずかしい。けれど彼がすぐに褒めてくれたことがうれしかった。
「お腹が空いただろう? 食べにいきながら荷物を取りに行こうか」
玄関に置かれていたキーケースを持つと玄関を出た。
地下の駐車場へ連れて行かれると私でも知っているエンブレムのついた白いRV車に向かった。
「ごめん、これも隠してたよな。今まで車でどこにも連れて行ってやれなかった。ただの阿部瑛太として俺を見てくれていた香澄の見る目が変わってしまうと思って」
「瑛太さんがなんでも持ってると知って私が欲深になると思ったんですか?」
「いや、反対だろう。香澄は自分なんて、と離れていくと思った。そして現実も離れていっただろう? 香澄のことが好きになるほど俺の手放したくない気持ちが強くなり正直に言えなくなっていった」
私を助手席に乗せながら私の目を見ることなく話し続ける。
「香澄にとって社長という肩書きやこのマンションのようなものは一歩も二歩も引くだろう? 西園寺グループの長男としての役目も果たしたかったが、香澄のことも手放したくなくてなかなか正直に言えなかった。悪かった」
「嘘をついていたのは少しショックです。でも瑛太さんは瑛太さんでしょう? 私は肩書きなんて関係なく、あなたを好きになってしまいました」
その言葉にホッとしたのか彼はようやく顔を上げ私の方をみてきた。
「ありがとう」
「私も反省したんです。瑛太さんのことを知ったつもりで知らなかったことが多かったんです。瑛太さんの部屋にもいきたいってあの頃言っていれば今と違っていたかもしれない。趣味だって私に付き合ってもらってばかりであなたの趣味を知らなかった。だからもっとあなたを知りたい」
彼は頷くと笑顔を見せてくれた。
「いくらでも俺のことを知って欲しい」
「はい」
彼と荷物を取りにホテルへ行き、そのあとカフェを回ってブランチを取った。
そしてまた彼のマンションへ戻ると今までの時間を取り戻すように濃密な週末を過ごした。