御曹司の溺愛から逃げられません
「なら駅で待ち合わせしよう。それで車で香澄の家に行くよ。俺が泊まったらダメか?」

「ダメってことはないですけど突然なので家が汚い……かも。ちょっとこのところ忙しくて週末に片付けるつもりだったから」

つい言い訳をしてしまったが、彼が来るのなら少しでも綺麗な部屋を見せたいのが女心。
今までも彼が来ると思うと念入りに掃除をしていた。だから何の準備もしていない部屋に呼ぶのはハードルが高い。

「じゃ、今日はご飯だけ食べたら送っていく。その代わり週末は一緒に過ごそう。それまで我慢するよ」

さっとおでこにキスをかすめ、エレベーターに乗り込んだ。
慌てて私も乗り込むがボタンのそばに立ち、秘書の体裁を保つが、頭の中は彼のキスでいっぱいになっていた。
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