Better late than never〜失った恋だけど、もう一度あなたに恋してもいいですか?〜
まさかという気持ちと、やはりという気持ちが半々だった。あの日からずっと、誘拐事件の前後のことを思い出していた。そして考えれば考えるほど、叔父である副社長の行動にいくつかの疑念が湧いていたからだ。
「……副社長が手を出していた事業のことですよね」
「えぇ、ご存知でしたか」
「たぶん……誰もが不思議に思ったはずですから」
副社長が個人的に手を出した事業が失敗し、多額の負債を抱えた。しかし芹香の事件からしばらくして、援助を申し出る人が現れたことにより負債が帳消しになったのだ。
「時期があまりにも合いすぎているんです。おかしいと思いながらも、証拠は何もないから追求はできませんでしたが……」
誠吾は珍しくソファの背もたれに倒れ込み、そして宙を眺める。
「警察も似たようなものです。副社長と繋がる誰かがいたのでしょう。解決まであとわずかというところで、何者かに握りつぶされてしまった──。あんな幕引きは納得が行きませんでしたから」
誠吾の顔が悔しさに歪んだように見えた。そんな彼を見るのは初めてだった芹香は、彼が刑事という仕事に、どれだけの誇りを持って向き合っていたかが痛いほどに伝わってくる。
「昨日あなたは私に言いましたよね。『警察を辞めたのは私のせいか』と。あの時は否定しましたが、本音を言えば半分は正解です。裏で暗躍する者がいる中で、きちんとした捜査は行われない……それならここにいる意味はないと思った」
「……残り半分は……?」
誠吾は芹香の手を取ると自分の方へ引き寄せ、彼女の体を力強く抱きしめた。
「あなたを守れなかったことへの後悔です」
「私……?」
「芹香さんに辛い体験をさせてしまった……。そして追い打ちをかけるようにあなたを拒んでしまった……」
「でもそれはどうにも出来なかったことだし……」
「だとしても、どうにも出来なかったと終わらせたくなかった。でも……これからはあなたのことは私が守ると決めたんです」
やはり自分自身も彼が警察を辞めた理由だった──芹香はそれを知り悲しくなる。その表情に気付いたのか、誠吾は芹香を抱き上げ膝に乗せるとキスをした。
「……副社長が手を出していた事業のことですよね」
「えぇ、ご存知でしたか」
「たぶん……誰もが不思議に思ったはずですから」
副社長が個人的に手を出した事業が失敗し、多額の負債を抱えた。しかし芹香の事件からしばらくして、援助を申し出る人が現れたことにより負債が帳消しになったのだ。
「時期があまりにも合いすぎているんです。おかしいと思いながらも、証拠は何もないから追求はできませんでしたが……」
誠吾は珍しくソファの背もたれに倒れ込み、そして宙を眺める。
「警察も似たようなものです。副社長と繋がる誰かがいたのでしょう。解決まであとわずかというところで、何者かに握りつぶされてしまった──。あんな幕引きは納得が行きませんでしたから」
誠吾の顔が悔しさに歪んだように見えた。そんな彼を見るのは初めてだった芹香は、彼が刑事という仕事に、どれだけの誇りを持って向き合っていたかが痛いほどに伝わってくる。
「昨日あなたは私に言いましたよね。『警察を辞めたのは私のせいか』と。あの時は否定しましたが、本音を言えば半分は正解です。裏で暗躍する者がいる中で、きちんとした捜査は行われない……それならここにいる意味はないと思った」
「……残り半分は……?」
誠吾は芹香の手を取ると自分の方へ引き寄せ、彼女の体を力強く抱きしめた。
「あなたを守れなかったことへの後悔です」
「私……?」
「芹香さんに辛い体験をさせてしまった……。そして追い打ちをかけるようにあなたを拒んでしまった……」
「でもそれはどうにも出来なかったことだし……」
「だとしても、どうにも出来なかったと終わらせたくなかった。でも……これからはあなたのことは私が守ると決めたんです」
やはり自分自身も彼が警察を辞めた理由だった──芹香はそれを知り悲しくなる。その表情に気付いたのか、誠吾は芹香を抱き上げ膝に乗せるとキスをした。