Better late than never〜失った恋だけど、もう一度あなたに恋してもいいですか?〜
* * * *
仕事を終えた芹香は、すぐに誠吾に連絡を入れた。それからすぐに『二十分ほどで到着する』と返信があり、芹香はホッと息を漏らす。
職場で誠吾の到着を待つのが怖かった芹香は、エレベーターホールに人がいるのを確認して、一緒に下へ降りることにした。
エントランスに降り立った時だった。
「芹香」
背後から突然声をかけられた。それが誰かわかった芹香は、体をビクッと震わせ、ゆっくりと振り返った。
「お疲れ様です」
そこには眉間に皺を寄せた太一が、芹香を見ながら立っていた。
「なんだよ、よそよそしいじゃん。昨日のこと、まだ怒ってるのかよ?」
「そうですね、怒ってます」
彼と話すことは危険だと思い、なるべく距離を取ろうとして一歩退いたが、しかしその間合いを太一はすぐに詰めてくる。
「悪かったよ。ちょっと話そうと思っただけだよ。深い意味はない」
「それなら、私が拒否した時点でやめて」
「でもお前だって、俺が掴んだら嫌がったくせに、明智さんと一緒に消えたじゃないか」
「それは……私は明智さんのサポートが仕事だったんだから、彼と一緒にいるのは当たり前でしょ?」
「なるほど、お前もやることはやってるんだな。おれを拒否して、よく言うよ」
どうしてそんなことを言われないといけないの──まるで吐き捨てるように告げられた言葉に、芹香はゾッとした。心に恐怖を感じ、危険信号が点灯する。
体に震えが走った瞬間、温かくて力強い腕に全身を包み込まれるのを感じた。
「芹香さんに御用でしょうか」
誠吾の声が耳に響き、ハッと顔を上げる。
「明智さん……どうして……」
「べ、別に、ただ話をしていただけです」
「そうは見えませんでしたよ。私の目には、彼女が怯えているように見えましたが」
誠吾が睨みつけると、太一は一瞬怯んだように見えたが、すぐに不敵な笑みを浮かべる。
「そうですか? あぁ、今芹香にも聞いていたんです。昨夜はあの後、二人でどちらに行かれていたんですか? パーティーも放り出して、さぞかし大事な用事があったんでしょうね」
「芹香さんの具合が悪くなったから休憩をしていただけですよ」
冷静に答えた誠吾に対し、太一は鼻で笑った。
「休憩ねぇ……どんな休憩だか」
「まぁ私たちは付き合っていますから、二人でいても何もおかしくはありませんが。どの休憩かは、あなたの想像にお任せしますよ」
芹香は驚いたように目を見開いた。まさか彼に対して付き合っている事実を公表するとは思わなかったのだ。
驚いたのは太一も同じだったようで、開いた口が塞がらなくなっていた。
「付き合ってる……?」
「えぇ、では私たちはこれで失礼します。これからデートなので。さぁ芹香さん、行きましょう」
「あっ、はいっ」
誠吾に手を引かれ、芹香は急足でエントランスを後にする。それから誠吾が道路沿いに停めてあった車の助手席ドアを開けたので、急いで中へ乗り込んだ。
仕事を終えた芹香は、すぐに誠吾に連絡を入れた。それからすぐに『二十分ほどで到着する』と返信があり、芹香はホッと息を漏らす。
職場で誠吾の到着を待つのが怖かった芹香は、エレベーターホールに人がいるのを確認して、一緒に下へ降りることにした。
エントランスに降り立った時だった。
「芹香」
背後から突然声をかけられた。それが誰かわかった芹香は、体をビクッと震わせ、ゆっくりと振り返った。
「お疲れ様です」
そこには眉間に皺を寄せた太一が、芹香を見ながら立っていた。
「なんだよ、よそよそしいじゃん。昨日のこと、まだ怒ってるのかよ?」
「そうですね、怒ってます」
彼と話すことは危険だと思い、なるべく距離を取ろうとして一歩退いたが、しかしその間合いを太一はすぐに詰めてくる。
「悪かったよ。ちょっと話そうと思っただけだよ。深い意味はない」
「それなら、私が拒否した時点でやめて」
「でもお前だって、俺が掴んだら嫌がったくせに、明智さんと一緒に消えたじゃないか」
「それは……私は明智さんのサポートが仕事だったんだから、彼と一緒にいるのは当たり前でしょ?」
「なるほど、お前もやることはやってるんだな。おれを拒否して、よく言うよ」
どうしてそんなことを言われないといけないの──まるで吐き捨てるように告げられた言葉に、芹香はゾッとした。心に恐怖を感じ、危険信号が点灯する。
体に震えが走った瞬間、温かくて力強い腕に全身を包み込まれるのを感じた。
「芹香さんに御用でしょうか」
誠吾の声が耳に響き、ハッと顔を上げる。
「明智さん……どうして……」
「べ、別に、ただ話をしていただけです」
「そうは見えませんでしたよ。私の目には、彼女が怯えているように見えましたが」
誠吾が睨みつけると、太一は一瞬怯んだように見えたが、すぐに不敵な笑みを浮かべる。
「そうですか? あぁ、今芹香にも聞いていたんです。昨夜はあの後、二人でどちらに行かれていたんですか? パーティーも放り出して、さぞかし大事な用事があったんでしょうね」
「芹香さんの具合が悪くなったから休憩をしていただけですよ」
冷静に答えた誠吾に対し、太一は鼻で笑った。
「休憩ねぇ……どんな休憩だか」
「まぁ私たちは付き合っていますから、二人でいても何もおかしくはありませんが。どの休憩かは、あなたの想像にお任せしますよ」
芹香は驚いたように目を見開いた。まさか彼に対して付き合っている事実を公表するとは思わなかったのだ。
驚いたのは太一も同じだったようで、開いた口が塞がらなくなっていた。
「付き合ってる……?」
「えぇ、では私たちはこれで失礼します。これからデートなので。さぁ芹香さん、行きましょう」
「あっ、はいっ」
誠吾に手を引かれ、芹香は急足でエントランスを後にする。それから誠吾が道路沿いに停めてあった車の助手席ドアを開けたので、急いで中へ乗り込んだ。