Better late than never〜失った恋だけど、もう一度あなたに恋してもいいですか?〜
「さぁ……それはどうでしょうね。私はあなたたちを逮捕するために今日まで証拠を集めてきたんですよ。あなた方が逮捕されるか否かは、署についてから楽しみにしていてください」

 それから二人が乗った車のドアが閉められ、動き出した警察車両を四人は固唾を飲んで見送った。

「これからお二人も警察に呼ばれて話を聞かれるかもしれません」
「あぁ、もちろんだよ。身内の起こした事件だ、被害者が娘であろうとも、風当たりは強くなるかもしれないな……。とはいえ、やるしかないがね」

 それから父は軽く咳払いをしてから、芹香と誠吾を交互に見ながら様子を窺う。

「その……明智くんは芹香を……その……うん、なんだな……」

 何故か照れて先が進まない父親を誠吾は微笑ましく見つめる。

「もし社長のお許しがいただけるのなら、芹香さんとの交際を認めていただきたいのですが……お願い出来ますでしょうか?」
「あ、明智さん⁉︎」

 その言葉を聞いた父と秀之は嬉しそうに頬を綻ばせた。
 
「許すに決まってるじゃないか! 良かったなぁ、芹香。ようやく恋心が実って」
「お、お父さん! 何言って……」
「そうそう。芹香はずっと明智さんが大好きでしたからね、やっと前に進めるね」
「お兄ちゃんまで……!」

 照れたようにうろたえる芹香を、三人はニヤニヤしながら見つめていた。

「私も同じですよ、芹香さん。ようやく芹香さんの誘拐事件に一区切りつきましたからね。お父様の了承も得られたことですし、私たちもここからが新たなスタートラインというところでしょうか」

 芹香は頷くと、幸せな気持ちに包まれて行く。それとともに急激な眠気に襲われた。

「芹香さん? 大丈夫ですか?」
「なんだか眠気が……」
「睡眠薬のせいかもしれませんね。今はゆっくり休んでください」

 それから誠吾の腕に抱かれたまま、芹香は眠りの世界へと(いざな)われていった。
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