僕の特技は秘密です
「…んー、なんか神社って言ってたかなぁ?」

山切村の神社と言われ、真っ先に『つーちゃん』の事を思い出した。

どんな女の子に育ったかなぁ…。

幼くあどけない笑顔を思い出す。

『つーちゃん』とは突然会えなくなった。
理由はわからない。

「山切村なら月の華ホテルがあるけど予約しておく?母さんの実家に顔を出しやすい様に、あまり知られてないんだけど一軒あるんだよねー。」
幼い頃、喧嘩を繰り返し家出ばかりしていたので、あまり実家に迷惑をかけるなって事で父親がここにホテルを建てた。
今は家出をすることがなくなったので、母は同級生との女子会の為に使うことが多かった。

「おっ!まじ!?月の華泊まれるの??」
「あそこは観光地じゃないから満室になることはないよ。他のホテルよりかはこじんまりしているけど静かでいいよ。」
「姉貴に確認して日付連絡するよ。」
と言いながら橘はスマホを出し沙紀さんにメッセージを送っていた。

「あぁ、わかった。父さんには俺から話しておく。」
「サンキュ」

橘と何処かに泊まるなんて高校の修学旅行以来かもしれない。

直ぐに橘スマホに沙紀さんから連絡来たので父親にメールをしホテルの手配をしてもらった。

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