愛しい君へ
将史が疲れたのか昼寝をしたので、直史が離婚に至る経緯を話し始めた。

「一年前からなんだけどさ〜俺、若い看護師と不倫してたんだ…」

母さんはすでに泣きそうになっている。

「一年間も薫と将史をほったらかして仕事とその彼女との浮気に溺れてたんだ。
でも、やっぱり家族が大切だから…その彼女とは2ヶ月前くらいにキッチリ別れたんだけど…」

父さんも黙って聞いている。

「おととい帰宅すると薫の友達だという女性弁護士もいてさ〜。
まぁ、彼女との浮気調査書と写真だったんだ。
俺は確かに不倫してたけど、彼女とはキッパリ別れたから薫とは別れ無いって言ったんだ。
そうしたら…薫は離婚したいって…そして俺と彼女に慰謝料を請求するし、将史の親権は要らないって言ったんだ。」

「どうして薫ちゃんを裏切ったんのさ……」と言って母さんはポロポロ泣き出した。

「ゴメン…。
俺は親権は要らないって言う薫にどうして親権を放棄するのか質問したらさ」

「家族を裏切るような人の子供なんか要らないし、これから仕事したり再婚するかもしれないから、邪魔なのよね!って言ったんだ。
将史の事を邪魔だって言ったんだ!

確かに1番悪いのは俺だけど、将史を捨てる薫が許せ無くてさ〜離婚届にサインしたんだわ…」

「……」両親は複雑な顔をしていた。
< 37 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop