結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
翌朝は理仁さんに車を出してもらい、杏花を保育園に送り届けると、私はその足で警察署へ向かった。昨日の聴取の続きをする約束だ。

警察の調べで、オーナーには前歴があるとわかった。

私が勤める前にクビになったという女性も、本当はクビではなく、同じような被害に遭って退職したのだそうだ。

当時も未遂で済み、早々に被害者と示談が成立したこともあって、逮捕には至らなかったという。

この二年間、オーナーによくしてもらい感謝もしている。カフェで雇ってもらえなかったら、今頃どうなっていたか。

とはいえ、二度目の強姦未遂。前回と同様に甘い措置をしたとして、新たな犠牲者が生まれないとも限らない。なにより彼が私たちにしたことを思えば、簡単に許せはしない。

それらを加味して、被害届を出すことに決めた。今後の手続きは理仁さんが手配してくれる弁護士さんにすべてお任せする予定だ。



警察署で手続きを済ませたあと、私は一度自宅に戻った。

荷物は段ボールにまとめて理仁さんの家に発送する。家も玄関のドアが直り次第、解約の手続きをさせてもらうつもりだ。

保育園も理仁さんの家から通うにはあまりにも遠すぎるので、休園の届出を提出した。

折を見て近所の保育園に編入、あるいは来年度から幼稚園に入園するのもアリだろう。

カフェの仕事がなくなり、現在無職。とはいえ、必死に生活費を稼ぐ必要はなくなった。

これから先は家族のためにじっくりと時間を使うことができる。

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