結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
食事を終え、私と杏花はお風呂へ。あがると理仁さんは杏花用のリンゴジュースを用意して待っていてくれた。

「杏花のお世話をこれから覚えていかないとな。トイレトレーニング、着替えに、食事――好き嫌いも知っておかないと……アレルギーはないんだよな」

「ええ」

急にお父さんになろうと頑張り始めた理仁さんに、思わず苦笑する。

「無理しなくてもいいんですよ? きっと自然に覚えます」

毎日、ひとつずつ知っていけばいい。

杏花は生乾きの頭をパパに差し出し「ふきふき」とおねだりする。

理仁さんは杏花の髪をタオルで丁寧に撫でながら「そうだな」と笑みをこぼした。



杏花を寝かしつけたあと。

「理仁さん。私、これからのことで悩んでいるのですが……」

私はキッチンで紅茶を淹れながら切り出す。ソファに座ってノートパソコンを広げ、メールを確認していた理仁さんは「え?」と顔を上げた。

「新しい仕事を探すか、いっそ家事に専念するか……理仁さんは、どんな奥さんが理想ですか?」

「菫花はどうしたいんだ?」

「私は……理仁さんのお役に立てるならなんでも」

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