結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
私は「ぅ……ん……」と声にならない呻きをあげながら、彼が与えてくれる官能を享受した。

「三年分の愛で埋めるから」

彼の素肌が私の太ももに触れる。愛を穿とうとしているのがわかり、喜びと甘い恐怖でおかしくなりそうだ。

「少し、苦しいよ。覚悟して」

容赦ない宣告をして、私の体を乱暴な愛で占拠する。

「あっ……ああ……」

抑えきれない悲鳴を漏らしながら、弾けそうな愉悦に身を投じた。

彼の重みを全身で受け止め、愛されている実感が湧いてくる。

「大丈夫、苦しくなんて、ない」

苦しいどころか――なんて心地がいいのだろう。体は悲鳴をあげているくせに、感覚は満ち満ちて溺れてしまいそうだ。

もっと深くこの愛に溺れ沈んでいきたい。はるか奥底にある、彼しか触れることのできないその場所まで。

「菫花っ……」

切羽詰まって掠れた彼の声が、私の耳に心地よい。その響きをもっと聞かせてほしい。

「理仁さん……!」

猛々しい愛をたくさん注がれ、それでもまだ足りないと体を躍らせてしまう。

あの日のように、何度でも。

無我夢中で愛を交わらせ、私たちは気を失うかのように眠りについた。


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