結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
「あの……!」

私は両親たちと理仁さんに向き直り、深々と頭を下げる。

「ありがとうございます! 私のことを気遣っていただき、こんな素敵なドレスまで……!」

声に詰まると、両親たちは笑顔で「さあ。三人とも着替えてきなさい」「早くドレス姿を見せて」と控え室に送り出してくれた。

一番準備が大変な私は個室に案内され、スタッフ五人がかりでドレスアップした。ヘアメイクを施し、ドレスに着替え、ティアラとベールを装着する。

高いヒールを履いて鏡の前に立つと、まるで魔法にかかったかのように、私は花嫁に変身していた。

清らかな純白の装いは、自分でも見惚れるほどに華やかで、かつ厳かでもある。

着替えを終えて案内されたのは、同じ建物の中にあるチャペルだ。

入口にエスコート役の父が立っていて、腕を少しだけ浮かせて私を待っている。

そこに手をかけ父と頷き合ったところで、大きな両開きの扉が開いた。

天窓から差し込む眩しい光が、チャペル内を神聖なホワイトに照らし出している。

右の列席には理仁さんのご両親。左の列席には母と杏花がいた。

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