謎多き旦那様の嘘、または秘密
相も変わらず、人を見る目のない。
相も変わらず?
いつと比べて?
「殺しが職業は嘘ですか?」
「残念ながらそれは本当だ」
しゅるりと旦那様は狐面の後ろの赤い紐を解いた。その音がやけに部屋に響いた。
私が言っても外されなかったお面が、外される。
記憶の根底に、知っている人だというのはあった。夫婦なのだから当たり前なのだけれど。
それでも、知っている人で良かったと思っていた。
整った顔立ちの中、右目の周りだけが爛れていた。
火傷なのか切り傷なのか擦り傷なのか、私には分からない。ただとても痛そうだ。