謎多き旦那様の嘘、または秘密
それだけで良い。
それが良かった。
あなたと夫婦じゃなかったと言われたことがショックなくらいには、私はあなたが好きだった。
「私の帰る場所を壊したなら、あなたが帰る場所になってください」
震える腕を宥めるように背中を擦られた。
「僕で良ければ」
「何言ってるんですか」
結局泣きながら、私は笑う。
「旦那様はあなたじゃないと」
旦那様が息を小さく吸う音がして、ぎゅっと抱き寄せられた。