野良狼と野良少女


「誤解ないように先に言っとくけど、エミリには3回告られてる。でも全部フってる」





地元が同じで壮馬さんの幼なじみなエミリさんはヤンチャしてた頃の一ノ瀬くん達の輪によく混じっていた。



なぜなら一ノ瀬くんのことが好きだったから。





でも一ノ瀬くんはそんなつもりないし、なんなら女の子が嫌いだったからエミリさんを拒んでいた。






そして高校生になって疎遠になったかと思えば、たまたま一ノ瀬くんのバイト先に壮馬さんが来て、バイト先が発覚。


それを壮馬さんがエミリちゃんに言っちゃって、同じ店で働き始めた…




「……え、それってストーカーじゃ」


「だろ。俺があいつを好きなんて、あいつと浮気なんて本気でありえない」





エミリと呼んでいたのはヤンチャグループにも佐々木っていう苗字の人がいたから。



今回のことも、たまたまコンビニで会って私が一ノ瀬くんの彼女だと知った壮馬さんの差し金。




壮馬さんは一ノ瀬くんで遊ぶことが昔から好きらしい。


飛んだいい迷惑、なんて。




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