課長に恋するまで
「確認が取れましたので、席にご案内します。どうぞ、こちらです」

 フロント係に案内され、店内に入った。
 ピカピカの大理石の床に、豪華なシャンデリア、そして白いグランドピアノが目についた。
 テレビドラマとかで見た、高級クラブって感じの店だ。
 
 慣れない場所に気後れしてしまう。
 おどおどとフロント係について行くと、奥の白い革のソファに課長が座っていた。
 ホステスさんもいたけど、ゆかりとは違う子だ。

「一瀬君、こんばんは」

 課長はいつもの落ち着いた口ぶりで言った。
 三日ぶりに聞いた課長の声に甘えたいような気持ちになる。

「課長、すみません。勝手に課長の名前を出して」
「大丈夫ですよ。それより立ってないで座ったらどうですか?」
 課長に促されて向かい側に座った。

「何を飲みますか?」
「えーと、あの、ウーロン茶で」
「ウーロン茶お願いします」

 同席しているホステスさんに課長が言った。
 エメラルドグリーンのドレスを着た、私と同じ年ぐらいのホステスさんだった。
 ホステスさんの方を見てると目が合った。
 優しく微笑まれてドキッとした。綺麗な人だった。

「それで、どうしました?」
 グラスが私の前に来ると課長が言った。
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