愛のかたち
「出来上がったら俺に知らせてね。毎日俺が一番に食べるから」

 それは、校長が給食を一番に食べる『検食』を意味するのだろうか。

「わかりました」

 彩華が真剣な表情で返事をすると、「社長の特権」と野上は顔を綻ばせた。

 予算は、元々社員に支給していた一人一日千円を目安にということだった。それはかなり余裕の金額で、レパートリーも広がる。彩華は栄養のバランスや彩りも考えて幾つか献立をたててから近くのスーパーへ出掛けた。
 まずは、定番のカレーやハンバーグがいいだろうか。予算に余裕はあるが、主婦をしていた彩華は、やはり新鮮なもの、お買い得なものに目が行ってしまう。今日は『肉の日』らしく、挽き肉がお買い得になっていた。中華の予定だったが、やはりハンバーグに変更した。

 初めて作る大人数の食事で、予想より時間がかかってしまったが、何とか昼前には完成した。温かい状態で食べれるように、煮込みハンバーグにした。皿にポテトとサラダを盛り付けておいて、来た順に温かいハンバーグを乗せてあげればいいだろう。ご飯とスープは各自で好きな量を装ってもらえばいい。
 ふと思い出し、彩華は野上の元へ向かう。
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