愛のかたち
「それ、いつわかったの?」
「彩華と別れて少し経った頃だよ。ずっと不審に思ってはいたんだ」
「どうして?」
「俺、彩華との不妊治療中に色々勉強したからさぁ、どう考えても二ヶ月くらい早く産まれたんだ。でも、早産とも言われてなくて、子供が小さく生まれた訳でもなくて。それがずっと引っ掛かっててどうしても納得いかなくて、聞いたんだ」

 鼓動が速くなるのを感じていた。

「そしたら彼女、別れた彼氏の子供だって言ったんだ。俺、子供が出来たって言われた時以上の衝撃受けて、言葉を失ったよ。その時初めて騙されたって気付いたんだ」
「そんな……」
「結局、彼女は子供の父親と復縁したんだ」

 彩華は言葉を失った。

 自分達は、それが原因で十年間の結婚生活にピリオドを打ったというのに。半年経っても未だ吹っ切ることが出来ない翔への想いを抱えて、こんなにも苦しんでいたというのに。
 さまざまな気持ちが溢れ出し、知らぬ間に涙が頬を伝っていた。
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