愛のかたち
 ふと足を止めパーキングに入った翔に、彩華は慌てて言った。

「翔ちゃん、飲んでるでしょ!」
「飲んでねーよ」
「本当?」
「酒はやめたんだ」
「嘘っ!?」

 思わず繋いだ手に力が入ると、翔はその手を更に強く握り返してきた。

「本当だ。……願掛け、かな」

 そう言うと、翔は優しい目を向けもう片方の手で彩華の頬に触れた。そうして、人目も憚らずしばらく抱き合った。


 翔は行き先も告げずに車を発進させたが、見慣れ過ぎた景色に彩華は焦りを覚えた。

 到着したのは、言わずと知れた彩華の実家の洋食店だった。
 翔と離婚してから半年。仕事が忙しいと理由をつけて、正月も実家には帰らなかった。かなり気まずい雰囲気になりそうな予感しかしない。
 だが、翔は躊躇いもせずに扉を開けた。
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