甘く、溶ける、君に。


「全然、変わらないね。この黒髪も、大きい目も、細くて白い腕も。けど中身は変わっちゃったみたいだね」


「……」


「今日半日この学校にいて、嫌でも耳に入ってきたよ、遥乃のこと」



何も、返すことができない。

私の噂も、さっきの女子たちとの会話も全部聞かれていて、今の荒んだ私のこと全部知っちゃってるんだ。


千輝くんの心の中だけでは、あの頃の純粋な私でいたかった。



『ちあきくんとけっこんする!』なんて言ってた、楽しかったあの頃の純粋な、私。


千輝くんのいう通り、あの頃のままなのは見た目くらい。



でも千輝くんだって、昔とは違う。

見た目こそ全然変わらないまま、あの頃のまま、いやそれ以上にかっこよくて……真面目そうなのも変わらない。



だけど、昔はもっとよく笑ってたし、口数が多いわけではなかったけど素直で、優しくて……今の千輝くんとは、ちょっと違う。



私が変わってしまったように、千輝くんも変わる。当たり前で、時が経てば皆かわるもので。


それがもう昔には戻れないんだって、痛感させられて苦しくなる。




お互いに、変わってしまった。





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