だって、恋したいもん!

第九十七話  片思い







尾関「理佐、こっちにあるんだよ♪」


と、おぜちゃんの案内で駄菓子屋まで自転車を押して歩いて来た。


理佐「おぜちゃん詳しいね」

尾関「うん、だって小学校の校区だから♪」

尾関「ほら、ここ♪」

理佐「わぁ~、すご~ぃ♪懐かしぃ~♪」

尾関「理佐ん家の近くは駄菓子屋さんてないの?」

理佐「うん、小さい頃はあったけど…今はもう無いなぁ…」

尾関「そうなんだ…また今度メンバーみんなで来ようよ♪」

理佐「うん、そうだね♪」


そして二人でアイスを買って店の前にあるベンチに座って食べた。


尾関「理佐ってさぁ…」

理佐「ん、何?」

尾関「西野くんのこといつから好きなの?」

理佐「ゲホッゲホッ!」


理佐「ちょっと何??」

尾関「だっていいなぁ~て思って♪」

理佐「え、何が??」

尾関「何~んか理佐見てたら羨ましくなるよ」

理佐「えー何でよぉー?」

尾関「だってさぁ、西野くんといる時あんなに楽しそうだもん♪」

理佐「えー、私そんなに楽しそうにしてる?」

尾関「うん、周りもみんな楽しそうだよ!?」

理佐「えー、何か私からかわれてばっかなんだけど」


尾関「あたしってさぁ…恋愛体質じゃないんだよねぇ~」

理佐「そうなの?」

尾関「うん、何て言うか『みんなで楽しく』で終わっちゃうんだよ」

尾関「誰かを好きになったりとかあんまりないんだよねぇ…」

理佐「そうなんだ…」

尾関「だから理佐がすごい羨ましい♪」

理佐「えー、でもぉ……片思いだよ…?」

尾関「大丈夫だよ!西野くんも絶対理佐のこと好きだよ!」

理佐「えー、それは……」

尾関「頑張って♪あたしも応援するよ!」

理佐「あ…ありがとう……」


屈託のない笑顔でおぜちゃんは私を見つめていた。







第九十八話へつづく…











< 102 / 208 >

この作品をシェア

pagetop