だって、恋したいもん!
第九十七話 片思い
尾関「理佐、こっちにあるんだよ♪」
と、おぜちゃんの案内で駄菓子屋まで自転車を押して歩いて来た。
理佐「おぜちゃん詳しいね」
尾関「うん、だって小学校の校区だから♪」
尾関「ほら、ここ♪」
理佐「わぁ~、すご~ぃ♪懐かしぃ~♪」
尾関「理佐ん家の近くは駄菓子屋さんてないの?」
理佐「うん、小さい頃はあったけど…今はもう無いなぁ…」
尾関「そうなんだ…また今度メンバーみんなで来ようよ♪」
理佐「うん、そうだね♪」
そして二人でアイスを買って店の前にあるベンチに座って食べた。
尾関「理佐ってさぁ…」
理佐「ん、何?」
尾関「西野くんのこといつから好きなの?」
理佐「ゲホッゲホッ!」
理佐「ちょっと何??」
尾関「だっていいなぁ~て思って♪」
理佐「え、何が??」
尾関「何~んか理佐見てたら羨ましくなるよ」
理佐「えー何でよぉー?」
尾関「だってさぁ、西野くんといる時あんなに楽しそうだもん♪」
理佐「えー、私そんなに楽しそうにしてる?」
尾関「うん、周りもみんな楽しそうだよ!?」
理佐「えー、何か私からかわれてばっかなんだけど」
尾関「あたしってさぁ…恋愛体質じゃないんだよねぇ~」
理佐「そうなの?」
尾関「うん、何て言うか『みんなで楽しく』で終わっちゃうんだよ」
尾関「誰かを好きになったりとかあんまりないんだよねぇ…」
理佐「そうなんだ…」
尾関「だから理佐がすごい羨ましい♪」
理佐「えー、でもぉ……片思いだよ…?」
尾関「大丈夫だよ!西野くんも絶対理佐のこと好きだよ!」
理佐「えー、それは……」
尾関「頑張って♪あたしも応援するよ!」
理佐「あ…ありがとう……」
屈託のない笑顔でおぜちゃんは私を見つめていた。
第九十八話へつづく…