だって、恋したいもん!

第百五話  可笑しぃ♪







そして土曜日…

私は本屋へ行った帰りに彼に連れて行ってもらった楽器屋に立ち寄った。



えーとぉ…

キーボードはどこにあるのかな?


学校では部のを使わせてもらえてるけど、

家のピアノとではタッチの感覚が違うから家で弾くのに欲しいんだけどなぁ…

いくらぐらいするのかな…

4Fがピアノサロンになってる…

上がってみると、

グランドピアノなど本格的な鍵盤楽器が並んでいる。


店員「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」

理佐「あ、えっとぉ…学校の部活で軽音に入ったんですけど…キーボードとかは…」

店員「あ、それでしたら地下のフロアにございますよ」


と、言われ地下へ移動した。


えーとぉ、キーボードは…


あ、あったあった♪

わぁー、色んなのがあるなぁ…

これは安いけどちょっとおもちゃっぽいなぁ…

でも15000円とかであるんだぁ…


店員「いらっしゃいませ……あれ?」

理佐「あ、こんにちは♪」

店員「西野くんの彼女じゃん♪」

理佐「いえ、彼女だなんて…」

店員「今日は何かお探し?」

理佐「あ、はい…キーボードをちょっと見に…」

店員「あ、キーボード弾くの?」

理佐「あ、えっとぉ…ピアノは小さい頃から習ってたので…」

店員「へぇ~そうなんだ」

店員「軽音なの?」

理佐「あ、はいこの前入らせてもらって…」

店員「そうなんだ…気になるのあったら言ってね、音出せるから」

理佐「ありがとうございます」



「あれ?渡邉さんじゃん」

と、呼ばれ振り向くと…

彼が立っていた!

理佐「あれ?西野くん…」

義雄「どうしたの?」

理佐「あ、うん…ちょっとキーボードを見に来たんだけど…」

義雄「あれ?家になかったの?」

理佐「ピアノはあるんだけどキーボードとタッチの感覚が違うから…」

義雄「あ、そっか…言ってたもんね」

理佐「うん、練習するにもあったほうがいいかなぁと思って…」


理佐「てか、西野くんバイトは?」

義雄「あ、うん…昼コン前だから練習しときたくて昼までにしてもらった」

理佐「あ、そうなんだ…」


店員「西野くん、彼女の気配に引き寄せられて来たのかー?♪」

義雄「違うよー!てか彼女じゃないしー」

店員「可愛い子じゃん!彼女にしちゃえばいいのに」

義雄「何でだよ!てかオレが良くても渡邉さんがイヤだよ!………ね?」

理佐「え、いや……私なんか……」

義雄「もぉー!山岡さん、くだらないこと言ってないで弦ちょーだいよ、弦!!」

山岡「おぉーっと、いつものでいいのか?アーニーボールの…」

義雄「うん!ピンクの009のね!ふたつ!!早くレジ行って!!」

山岡「おぉ、すまんすまん…ちょっと待っててな」



義雄「もぉー!あんなことばっか言ってんだから!」

理佐「フフフ…♪」

義雄「女の子がいたら必ず言うからね、気にしないでね」

理佐「必ず……?」

義雄「あぁ、うん……後輩たち連れて来たときも言ってたし!」

理佐「あ…あの子たち…?」

義雄「あぁ、うん……何か始めるなら、て見に来たんだけど…」

義雄「結局まだ何にもやってないんだよ」

理佐「あ、そうなんだ…」

義雄「まぁメンバーが揃わないとなかなかやる気にはなれないだろうけど…」

理佐「そう…だよ…ね」


義雄「でも渡邉さんたちはうまく揃ったよね♪」

理佐「うん、ホント運よくね♪」

義雄「昼コン終わったらオレらも全力で応援するから頑張ってね♪」

理佐「うん、ありがとう♪」



店員「全力で彼女にするってか!?やるねぇ~」

義雄「ちょっともぉー山岡さん!!」

店員「こいつ前から彼女欲しいって言ってたからさ、よろしくね♪」

理佐「え………」

義雄「ちょっともぉー!!店長にいいつけるよ!」

店員「おぉー!すまんすまん…じゃあ1160円な!」

義雄「もぉー!お金払わないよ!!」

店員「おぉー!!それはいかん!オレの首が飛ぶやないかーい」

理佐「アハハ…可笑しぃ♪」







第百六話へつづく…











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