だって、恋したいもん!
第百十二話 ピンスポ
そして昼休みになると急いで講堂に移動した。
木戸先生は4限の授業がなかったようでもうすでに鍵を開けて待っていてくれた。
義雄「じゃあ今日はオレたちスポットライトやるから二手に別れよう」
と、言って講堂の両サイドに別れた。
私は彼と同じ舞台に向かって右サイドのスポットライトへ移動した。
そして演奏が始まると彼は忙しそうに回転盤を操作していた。
曲の合間になると彼が、
義雄「渡邉さんやってみる?」
と、私に言ってきた。
理佐「え、出来るかな?」
義雄「向きはオレやるから色の操作やってみなよ」
と、言うので彼と並んで操作してみた。
理佐「こんな感じでいいのかな?」
義雄「うん、ばっちり!フィーリングでいいんだよ」
理佐「ふぅ~ん…それにしても熱いんだね」
義雄「うん、ピンスポは一番熱いよ」
理佐「そうなんだ…」
義雄「でも当てられた方はもっと熱いよ!」
理佐「そうなの?」
義雄「渡邉さんもソロの時絶対当たるからそん時わかるよ♪」
理佐「えー!私にも当たるのー?」
義雄「そりゃソロあるから当たるよー!」
理佐「えー、恥ずかしいなぁ…」
義雄「まぁでも演奏に集中してるから恥ずかしいとか言ってられないかもね」
理佐「そうかなぁ…」
義雄「うん、でも『熱い』と『眩しい』は感じるだろうけど」
理佐「そうなんだぁ…」
そんな話をしていると演奏も終わり今度は後片付けが慌ただしく始まった。
義雄「熱いから気をつけてね」
理佐「うん…」
義雄「また明日も使うから適当に隅っこに置いとけばいいよ」
理佐「うん、わかった」
そして片付けが終わるとちょうど予鈴が鳴りみんな散り散りに5限の教室へと向かっていった。
第百十三話へつづく…