だって、恋したいもん!
第百十三話 狂犬発動
そして火曜日も三年生の出番なので私たちは裏方仕事をした。
水曜日になると同じ二年生のバンドが出て機材などのセッティングを手伝った。
と、言っても私たちMARRYメンバーは言われたことをするだけだったけど…
そして放課後、
本番を翌日に控えているので最後の打ち合わせをしようとみんなでウィーンの森へ集まった。
秋元「じゃぁセットリスト通りでオレが何か一言言って始めるわ」
斉藤「おぅ、じゃぁ適当に合図くれたらカウントとるわ」
義雄「で、二曲通しでやって…」
と、彼が私の方を見て…
義雄「で、いよいよだね」
秋元「おぅ!じゃぁ派手に紹介するわ♪」
理佐「やだぁ、普通でいいよぉ…」
美波「いいじゃん!理佐のデビューなんだし♪」
由依「そうそう派手にやっちゃいなよ!」
理佐「やだよぉー!」
秋元「まぁ、じゃぁオレの気分次第と言うことで」
理佐「えーー!!」
義雄「まぁまぁ…こればっかりはマイク持ってるもんには逆らえないしね」
理佐「うーん……」
秋元「で、三曲目が終わったら捌けてもらうんだよな?」
義雄「うん、そう」
秋元「で、四曲全部終わったら?」
義雄「ん?」
秋元「また理佐姐さん出てきてもらうの?」
理佐「理佐姐さんて…」
義雄「あ~そうだなぁ…やっぱ全員で客席に礼したほうがいいよな」
橋本「そりゃやっといたほうがいいだろ」
秋元「じゃぁ四曲目の間は袖で待機しといてくれる?」
理佐「あ、うんわかった」
秋元「てな段取りでいいか?」
義雄「おぅ!で、最後に部員募集も呼びかけといたら?」
橋本「あ~そうだなぁ…一年が二人ってのも寂しいしなぁ」
義雄「こういう時に言っとくとけっこうノリで入る子とかいそうじゃん?」
橋本「そうだな、三年は実質これで活動終わりだから月火の練習日空くからなぁ…」
義雄「まぁどっかはMARRYで使うとしても金曜も含めて二日は空くからなぁ…」
岩本「部の存続のためにも!」
斉藤「そう!部員が減ると廃部の危機にも!!」
義雄「オレらの年までは大丈夫だけどその次がな…」
秋元「オッケー!じゃぁそこんとこも何か考えとくわ」
義雄「じゃぁそんな感じでみんなよろしく!」
全員「オッケー!♪」
尾関「理佐、いよいよだね♪」
理佐「うん…」
尾関「どうした?緊張してきた?」
理佐「うん、そりゃぁ…」
茜「大丈夫だよ!理佐なら」
由依「そうそう、だって一番楽器経験長いじゃん」
理佐「うん、まぁ…発表会みたいじゃなくてみんないるから…」
美波「そうだよ!ちょっとぐらい失敗しても見てる方はわかんないよ」
理佐「そうかなぁ…?」
由依「じゃぁ上手くいったら『告白』と言うことで!」
理佐「えーーーー!!!!」
美波「うわぁ~……狂犬由依が発動してるよ!」
第百十四話へつづく…