だって、恋したいもん!

第百七十八話  一応女の子だから







試験二日目…


1限が化学、2限は音楽、3限が倫理……


化学やだなぁ……

苦手なのよねぇ……



私はいつもより早く学校に着いていたので机に向かって教科書を眺めていた。


「おはよっ」

と、由依が教室へ入ってきた。


理佐「おはよう」

由依「昨日はどうだったのよ」

と、カバンを机に置き座りながら話し始めた。


理佐「え、あ…うん……」

由依「楽しかったの?」

理佐「え……『楽しかったの』て…勉強しただけだよ」

由依「ホントにぃ~?」

理佐「え、うん……」

由依「まぁミスドじゃ何にもないか……」

理佐「うん……」


由依「で、普通に帰ったの?」

理佐「うん、美波はお母さんに買い物頼まれてるって言って別れたけど……」

由依「二人で帰ったの?」

理佐「うん……自転車に乗せてもらって……」

由依「おいおい、それよ!聞きたいのは!♪」

と、由依のテンションが急に上がった!


理佐「え!? 何ぃー?」

由依「『自転車乗せてもらって』て、もうカップルじゃん!」

理佐「えー……! でも……恥ずかしかったけどぉ……」

由依「アハハッ!見てみたかったなぁ~、その時の理佐!!」

理佐「ちょっとやめてよぉー!」

由依「ほぉーら、思い出しただけで赤くなってんじゃーん!」

理佐「やだぁー!もぉー!」


由依「そっかそっか……で?自転車乗りながら何話ししてたのよ」

理佐「え、うん……祇園祭は浴衣着て欲しいて言われた……」

由依「え?浴衣ぁー!? あの男!どさくさにまぎれてー!」

由依「で?あんたオッケーしたの?」

理佐「え、一応みんなと相談するって言ったけど……」

由依「ほぉー……それで?」

理佐「お母さんは用意しておいてくれるって言ってたけど……」

由依「あんたもう着る気満々じゃん!?」

理佐「え、うーん……着るのはいいんだけど私一人じゃ浮いちゃうから……」


由依「で、あたしたちに協力しろと!?」

理佐「うーん……ダメかなぁ…?」

由依「まぁ理佐の頼みならね!あたしはいいけど他の子たちはどう言うかなぁ?」

理佐「えー、みんなお祭りだから着たがらないかなぁ?」

由依「まぁね、みんな一応女の子だからね」

理佐「だよね!?」


由依「まぁ今日終わったらみんなに聞いてみたら?」

理佐「うん、そうだね……」



キーンコーンカーンコーン…



と、予鈴とともに先生が入ってきて会話は中断された…







第百七十九話へつづく…











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