だって、恋したいもん!

第五十二話  ファンだから







由依「さぁーて、そろそろ行っとく?」

美波「そだねー、音楽室の前で待っとかないと西野くんが座ったら速攻横獲らないとね」

理佐「由依次は?」

由依「あたし美術」

茜「あたし現国ー、超ー眠いし!」

由依「確かに!平田のじぃさんの声は子守唄にしか聞こえないしっ♪」

茜「昼イチはきっついわー」

美波「でも寝ててもなんにも言わないでしょ?」

茜「なのよー!だからダメなんだよー!」

理佐「え? 何で?」

茜「いびきかいてたら恥ずかしいでしょー!」

理佐「えぇー!茜いびきかいたっけ!」

茜「わかんないけど…かいてたら嫌でしょ」

茜「こないだも田村がいびきかいてて爆笑だったもん♪」

由依「あーバスケ部の? かきそぉー♪」



キーンコーンカーンコーン…



美波「あ、予鈴だ!!ヤバイ急ごう!!」

茜「また後で聞かせてねー♪」


そう言って皆散り散りに教室へ向かった。


私と美波は旧校舎の三階の音楽室へと向かった。


教室を覗くとまだ数人しか座ってなく彼もまだ来てなかった。


美波「まだ来てないね」

理佐「うん……」


そう言っていると彼が廊下を歩いてきた。



















義雄「あ、渡邉さん小池さん…」

美波「西野くんどこ座るの?」

義雄「え、あぁ…どこでもいいんだけど…」

美波「じゃあ三人で一緒に座ろっ♪」

義雄「あ、うんいいよ」


そして三人で一番後ろの端の席に彼を真ん中にして並んで座った。



美波「ねぇねぇ、軽音て次いつライブやるの?」

義雄「たぶん中間と期末の間に昼コン出来ると思うんだけど…」

美波「そうなの?」

義雄「今の三年はこれで終わりなんだけど、何かやる気あるのか無いのかわかんないんだよねぇ~」

美波「えーそうなんだ…」

義雄「うん、だから今二年で顧問にかけあってるんだけど…」

美波「へぇ~大変だね」

義雄「オレたちもやりたいしね♪」

美波「うん見たい見たーい♪」

美波「ね、理佐も見たいよね?」

理佐「うん、見たーい♪」

義雄「ホントに?嬉しいなぁ♪」

美波「理佐、西野くんのファンだから♪」

理佐「え………」
義雄「え………」


美波「ほら、理佐ー!♪」

理佐「え、ちょっと美波ぃー!!」


義雄「あ、でも……嬉しいよ、ありがとう……♪」

理佐「う、うん………」


美波のパスが豪速球すぎて心臓がどっかに飛んでいってしまいそぉー!!







第五十三話へつづく…











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