高嶺の花と呼ばれた君を僕の腕の中で包みたい

「ごめん、私あの日のこと泣きすぎてあんまり覚えてなくて」
「ん、華は泣き虫だもんな。俺が覚えてたからいいんだよ。華が誰のものにもなってなくてよかった。っても誰かのものになっても奪う気満々で帰国したんだけどな」
「尊臣くん……」


 サラリと尊臣の黒髪が華の首元をくすぐる。


「華にもっと触れてもいい?」


 尊臣の甘い声が華の耳もくすぐった。


「尊臣くんなら、怖くない。尊臣くんになら、たくさん触れて欲しい」


 触れられても怖くないのは尊臣だけ。触れて欲しいと思うのも尊臣だけ。

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