溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「愛されていないと自覚しているなら、僕があなたを幸せにする」
掴まれた腕を引き寄せられ、無理やり正面から抱きしめられ頭が真っ白になった。
驚きと恐怖、なにより嫌悪感で咄嗟に両手で胸を押し返す。
「やめっ、離してください!」
今すぐ離れてほしい。
晃汰さんに触れられることが特別であることを、こんな状況下で思い知る。
「ここでは場所が悪い。移動して、もっとゆっくり話せる場所にいきましょう」
「いえ、お話しすることは私にはもう」
断っているにもかかわらず、小室さんは強引に掴んだ私の腕を引いていく。
そんな時だった。
私を掴んでいた小室さんの手が別の力によって引き離され、同時に上背のあるスーツの背中が視界を覆う。
どきんと大きく鼓動が跳ねた。
「私の妻になにか」
聞き慣れた低く落ち着いた声。
跳ねた鼓動が高鳴り始める。