溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「たとえ用があったとしても、気安く触れないでいただきたい」
晃汰さんにきつく責められた小室さんは、怯むことなく真剣な表情を晃汰さんに向ける。
「それは謝罪します。ですが、千尋さんに伝えたことは取り下げない。僕は、千尋さんと結婚する予定だった者です。今からでも彼女と一緒になりたいと思っている」
「それなら、今ここで千尋の代わりにその返事をしよう。それはなにが起こっても有り得ない。諦めてもらおう」
はっきりとした口調で晃汰さんは小室さんに告げる。
「彼女のことは、一生手放すつもりはない」
小室さんを諦めさせるための言葉。晃汰さんが私を愛していて出てきたものではないとわかっているから、切なさが込み上げる。
「わかったら、金輪際私たち夫婦の前に現れるな。次、千尋に接触すれば手段は選ばない」
きつい言葉を口にし、晃汰さんは私の腰に腕を回してその場を立ち去る。
そのまま足早に近くに駐車していた車に乗せられた。
運転席に乗り込んできた晃汰さんは無言のまま車を発進させる。
しばらく沈黙が続いたものの、耐え切れず私から口を開いた。