溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
週末、日曜日。
「今日、ですか? 特になにも予定は」
朝食後のコーヒーを淹れていた時、晃汰さんがダイニングテーブルから食器をさげながら今日の予定を訊いてくる。
なんの予定もなかったから、どう過ごそうかと起きた時から考えていた。
「そうか。それなら、一緒に行ってほしいところがある」
「一緒に行ってほしいところ、ですか? はい、それは構わないですけど……?」
どこに?という含みを持たせて答えると、晃汰さんは「弟、漣のところだ」と言う。
「月と詩に誕生日プレゼントをまだ渡せていなかったから、近いうちに顔を出すと話してあるんだ」
晃汰さんには、弟さんがふたりいる。次男にあたる漣さんは、東京、飯田橋にある水瀬総合病院の心臓血管外科医。
挙式の際に初めてお会いしたけれど、晃汰さんの弟さんだと納得のいく眉目秀麗な方だった。
兄弟揃っているとキラキラなにか特別な光が辺り一帯を覆っている感じで、女性の招待客の視線は終始そこに注がれていた。