溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る


 その後、朝食を食べ、家を出る準備までを終えると、私が観たいと言っていた映画を一本自宅のリビングで鑑賞した。

 晃汰さんがしばらくはゆっくり映画も観られなくなるだろうと、提案してくれたのだ。

 映画を観ていた二時間近く、ずっと手を繋いで寄り添い、晃汰さんの体温を感じていた。それは幸せすぎる時間で、あっと言う間に過ぎ去っていく。正直、映画の内容がところどころ飛んでしまっていたけれど、それは晃汰さんには内緒にしておいた。

 そして、十三時少し前。晃汰さんの運転で予定通り水瀬病院に到着する。

 そのまま、産科で入院の手続きを済ませ、出産前最後の診察をしてもらった。

 計画分娩のため、診察後に分娩室へと移動となる。

 そこで陣痛促進剤の点滴を打ち、その後、陣痛が誘発され始めたタイミングを見計らって、無痛分娩の麻酔薬を腰から注入するという。

 痛いとわかっている陣痛を誘発させるというのは、無痛分娩の処置をするとわかっていてもなんとなく慄(おのの)いてしまう。

 陣痛促進剤の点滴を始めた後、ベッドに横になったまま緊張のせいか無言で天井を見つめていた。

< 236 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop