溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る


 腹部に生理痛の強い痛みのようなものを感じながら意識が戻ってくる。

 そこでいつの間にか眠ってしまっていたことに気付いた。

 見えた窓の向こうはもう暗くなりかけている。今が何時かはわからないけれど、どうやら数時間眠りについていたようだ。


「痛むか」


 ベッドサイドにはさっきと変わらず晃汰さんがいて、私の手を握ってくれている。その温かさに一瞬にして安堵に包まれた。


「私、いつの間にか寝て……お腹が痛くて」

「陣痛がきたようだな。すぐに麻酔を入れてもらう」


 ちょうど個室の病室がノックされて、助産師が様子を窺いに訪れた。

 晃汰さんは彼女に「陣痛がついてきた。硬膜外麻酔の準備を」と伝える。

 数分のうちに主治医と看護師が部屋にやってきて、無痛分娩の麻酔の処置が始まった。

 事前の説明通り、腰にチューブを挿入し、そこから麻酔薬を注入していく。

 処置終えると、十分もしないうちにさっきまで感じていた陣痛の痛みがなくなっていった。

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